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怪奇〜浮遊霊

写真: 怪奇〜浮遊霊

怪奇・怪談シリーズ

決して一人では見ないでください。
怪奇『浮遊霊』

その日、夜半になっても蒸し暑さの消えない郊外を私はとぼとぼと歩いていた。呑み過ぎて終電車を逃してしまい、酔い覚ましに丁度良いと考えて歩き始めたのは、今から思えば早計であった。自宅まで9キロの道のりはさすがに遠い。こんな場所では空車も通らない。
汗をぬぐいながら歩き続けると、二丁目の交差点の所に見慣れぬ屋台が出ていた。いったい何の屋台だろうと横目で様子を見ると、年配の女の声がした。「お兄さん、あったかい甘酒いかが?1杯300円だよ。」
「いらない」とぶっきらぼうに答えながら私は心の中で叫んだ「そんなもん、冬、売れいっ!」
(→ふゆうれいっ→浮遊霊)

北海道浦河町で撮影

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