90年前のピアノを綺麗に4
http://photozou.jp/photo/show/1934405/222529639
で上に並べられた鍵盤が元に戻ってますが、今ある鍵盤をの外側を小さいハンマーで叩いていらっしゃいます。
鍵盤が所定の位置に戻っても、鍵盤のへたりなどで、左右へのがたが発生しているのを直しているのです。
いくばくか鍵盤を触ると遊びの隙間があって演奏には関係ない左右にも動くのですが、それがあまり酷いとやっぱり駄目なので、、。
しかも古いので、調律は都合二度(来訪時の最初の作業プラス、落ち着かないので再度)してくれました。
普通の所要時間の二倍以上、昼過ぎにいらして、黄昏時まで滞在して綿密にして頂けました。
感謝。
concert会場の、グランドピアノにはない味のある個性的な楽器なのであります。
これで、バッハやモーツァルトを弾くと結構気持ちよい。
弦を止めるダンパー
http://photozou.jp/photo/show/1934405/222529629
も、現代の楽器と違って、少し小ぶりで、しかも、弦に押しつけるバネも弱く、鍵盤を弾いた後戻してもすぱっと音が止まらないのであります。
これを、不具合とみる人も居るけど、僕はそうではなく、まったく残響のないこの防音部屋のなかでも、リバーブがあるような良い気持ちになるんです。
音の止まり方が良い意味で緩いのです。
だから、そこそこ響きのある会場で弾いて居る気になれます。
たぶん、ピアノの音ってこうだ、と国産の縦型ピアノの印象の固定観念にしばられている専門家を含む音楽愛好家に人たちにとっては、これはスクラップにしか聞こえないかも知れませんが。
国産の流通している縦型ピアノには出せない味、まあ、ドイツ製の古いフィルムカメラの味に通じるものがあるでしょうか。
レンズもコーティングのないオールドレンズ、、それでしか描けない味わいのある「音」という感じです。
このピアノの別の写真は、下のタグにある、Rachalsというキーワード
http://photozou.jp/photo/tagged/1934405/Rachals
で探せます。
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コメント (4)
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調律の方の エプロンがいいなあ(^O^)/
2015年5月10日 12:09 雪のんの (6)
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雪のんのさん、この方はダンディーで、珈琲にもお詳しく、彼の工房にお邪魔したときに飲んだ珈琲の味が忘れられません。
職人気質なんでしょうね。2015年5月12日 11:33 白石准 (40)
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ピアノのリペアーはパーツが多いのですごい作業ですね 音をよみがえらせるうらやましい仕事です
2015年5月14日 17:05 nakana3 (11)
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nakana3さん、そうですね、しかも、これは今じゃ現存しないドイツのメーカーのものですから、独自のパーツは合うものが無いと思うので、なおさらですね。
でも根気と器用さが必要な実に縁の下の力持ちって仕事です。
演奏会でピアニストが称賛されても、その影にはそのピアノを理想的に鳴らせることを可能にした職人がいらっしゃるわけで、その数はそんなに多くない。
どんな素人でも、プロの演奏家については、好き嫌いを数秒で表明できるし、上手い下手もすぐに判断できるでしょう、例えご自分で演奏できなくとも。
でも調律師は、中にはすごく詐欺師みたいな酷い仕事をする人も居ます。
実際に会ったこともありますが、彼の仕事を正当に評価できるひとは少ないです。
ホールの職員も、そこを使う多くのピアニストやピアノの先生も、その調律師に言いくるめられ、こんなもんなんだ、と思い込んでいる所も沢山あります。
この世でもっとも、詐欺的な職業でもあります。
ですから、ここに写っているような、すばらしい技術をお持ちの巨匠との出会いは本当に幸せなのです。
もう一人、僕には長年のパートナーも居ました。
http://photozou.jp/photo/show/1934405/161158009
http://photozou.jp/photo/show/1934405/1611592962015年5月15日 09:41 白石准 (40)
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